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「The Shakuhachi 5」CDレビュー




 音楽之友社によるWebマガジン「ONTOMO」(2024.04.06) に、

林田直樹さんによる「The Shakuhachi 5」のCD評が掲載されました!

林田様、素晴らしい文章をありがとうございました。




 

楽曲構成も秀逸 西村朗の名作は必聴


 これは面白い!


 出だしの藤倉大《Shakuhachi Five》からガツンとやられた。こんな奇妙で味わい深いサウンドが、5本の尺八で演奏できるだなんて。完全にくせになって、何度も聴き直したが、やっぱり面白い。コロナ禍のテレワークをきっかけに生まれた作品だというが、すごく「いま」の感じがあって、ポップなくらいにあらゆる人の心をつかむ響きである。


 日本の伝統楽器のひとつである尺八にはさまざまな流派があるという。そうした垣根を超えて集まった5人の奏者たち(小濱明人・川村葵山・黒田鈴尊・小湊昭尚・田嶋謙一)による「尺八五重奏」には、無限の可能性があると感じた。グループ名の語感もキャッチーで、国際的に通用しそうである。


 公募曲の台信遼《Shape of Wind》は息の音と楽音とのグラデーションを繊細に追求し、望月京《観音アナトミー》は風や息の音に加えてカノンと観音にひっかけた発想が面白い。西村朗「五本の尺八のための《沙羅双樹》」はインドの釈迦入滅の情景に思いをはせた曲で、2023年に亡くなった作曲者の遺した名作のひとつとして必聴である。それらの中心に、まるで空洞のようにジョン・ケージの静かで瞑想的な《Five》(楽器は指定されていない)が配置された構成もいい。尺八という楽器の持っている豊かな可能性が、このグループによってどう発展していくのか、今後も楽しみである。(林田直樹)

 



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