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尺八の歴史と工法について

更新日:2022年11月30日



【尺八とは】

尺八は中国唐に生まれ、日本で育った竹製の縦笛の管楽器。管の上端の一部を外側にむけて削った歌口(うたぐち)と、前面に4つ、背面に1つの指孔を空けただけのシンプルな構造。



【尺八の流れ】

雅楽尺八(古代尺八、正倉院尺八とも)

雅楽の楽器として、7世紀末から8世紀初めごろに中国から伝来。6孔3節。9世紀後半以降、雅楽の正式編成から外された。


一節切(ひとよぎり)尺八

雅楽尺八が滅びたあと、中世以降の日本に登場。5孔1節の短い尺八。17世紀後半には全盛期を迎え、はやり歌や踊り歌の伴奏曲、筝・三味線との合奏などを演奏した。その後急速に衰微し、19世紀初頭にはほとんど吹かれなくなり、結局絶滅した。


普化(ふけ)尺八(虚無僧尺八)

現行の5孔尺八。江戸時代に、普化宗の虚無僧と呼ばれる半僧半武の人びとが専用したことから名づけられた。



虚無僧とは】

虚無僧は中国(唐)の普化を祖とする普化宗の禅僧。尺八を吹き喜捨を請いながら諸国を行脚修行した有髪の僧とされており、頭には「天蓋」と呼ばれる深編笠をかぶる。読経の代わりに尺八を吹いて修行をし、その伝承曲を『古典本曲』と呼ぶ。明治4年 (1871年)、明治政府は普化宗を廃止し、虚無僧は僧侶の資格を失う。明治21年 (1888年) に京都東福寺の塔頭の一つを明暗寺として明暗教会が設立されて虚無僧行脚が復活した。



【工法について】

地塗り管(現代管)

現在の尺八の管の内部は、管の内側に残った節を削り取り、漆や地(じ)を塗り重ねることで管の内径を精密に調整する。これにより音が大きくなり、正確な音程が得られる。


地無し管

管の内側に節による突起を残し、下地を塗らない自然の内径にこだわった、古い製法。柔らかく包み込むような音色が特徴で、複雑な倍音をもつ。江戸時代、虚無僧が吹いたのはこの地無し管。



 

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